こんにちは。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
知的障害のある方や認知症の方の財産管理や様々な契約を手助けする制度として成年後見制度があります。判断能力が、「今はあるが将来が不安」「少し落ちている」「かなり落ちている」「欠如している」の4段階で利用する類型が異なります。
将来の判断能力の低下に備えて予め手助けをしてくれる人=後見人を選んでおくのが任意後見と呼ばれるものです。これは任意の後見契約であくまでもご本人と後見人になる人との契約なので報酬をいくらにするかも後見人を誰にするかも自分で決めることができます。
しかし、すでに判断能力が低下している方、欠如している方が利用することになる法定後見というのは、報酬額についても誰を後見人するかも自分では決めることはできません。後見人についてはこの人になってほしいという意向を裁判所に伝えることはできますが、その人が後見人になるかどうかはわかりません。
成年後見制度の申し立てをしてから、自分の希望した人が後見人にならなかったからといって異議を申し立てることもできません。このことは申し立ての書類にも記載されていて理解しているかを確認するためのチェック欄も設けられています。
そして重要なのは報酬についてです。後見人等の報酬は裁判所が決定し成年後見制度を利用している方の財産からもらうことになっています。これについても、後見人等が選任された後で知らなかったということはできないので注意してください。
たまに「後見人を違う人にしたい」「成年後見制度の利用をやめたい」という問い合わせがありますが、どちらもほぼ不可能と考えた方が良いと思います。それだけに、制度の利用の際には慎重にならなければなりません。何もしないでお金だけもらっている後見人であっても解任することは難しいのです。
後悔することのないよう、成年後見制度の内容を十分に理解した上で利用を開始することが重要です。自分で調べるのも良いですが、ぜひ一度ご相談いただければ最適な方策の提案をさせていただきます。それから、ご自身で利用するか否かを決めても決して遅くはありません。
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