法定後見の類型である「保佐」についてお話します!

こんにちは。

許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。

 

成年後見制度の法定後見には「後見」「保佐」「補助」の3つの類型(種類)があります。平成31年度の統計(成年後見事件の概況~平成31年1月~令和元年12月)によると申し立ての総数35,959件のうち、後見の申し立てが26,476件で全体の約74%を占めているのに対し保佐の申し立ては6,745件で約18%にとどまっています。判断能力としては保佐類型に該当するケースでも後見の利用を申し立てることも少なくないようです。

 

判断能力の有無について3つの類型を比較すると・・・

後見:判断能力を欠く常況にある方

保佐:判断能力が著しく不十分な方

補助:判断能力が不十分な方

 

判断能力は後見<保佐<補助となります。

 

判断能力がなければないほど保護を厚くする必要があるので、保護の厚さは後見>保佐>補助となります。保護が厚ければ厚いほどいいだろうと思う方がいるかもしれませんが、保護が厚いというのは制限が多いということです。

 

後見であれば日用品の購入以外の行為で知的障害や認知症のご本人がご自身だけでできることはありません。もし自分だけで行ったら後見人が取り消すことができます。保護が厚いからといって後見の類型を利用してしまうとご自身の意思を十分に尊重できないという危険性が高くなります。

 

判断能力が残っているのであれば保佐の類型を利用したほうがご本人のためになるということがあるのです。後見と保佐の具体的な違いは同意権・取消権と代理権についての違いです。後見人は日用品の購入以外のすべての行為に対して取消権があります。

 

それに対して保佐人の取消権の及ぶ範囲は民法13条に規定されている重要な法律行為に限られています。重要な法律行為とはお金を借りる、相続の承認をする、不動産の処分をするなどです。これ以外の行為については被保佐人ご本人だけで行うことができるのです。

 

また代理権について、後見人が被後見人の全ての行為を代理できるのに対して被保佐人の代理権は先ほどお話した重要な法律行為に限られています。

 

保佐の類型が積極的に活用されることにより、成年後見制度を利用する方ご本人の意思がより尊重される可能性が高くなると言えるのではないでしょうか。もし、保佐の類型を利用していたが、ご本人の判断能力が落ちたということがあれば、後見の類型に変えることができます。

 

ご本人に適した制度利用が望ましいのは言うまでもありません。成年後見制度の十分な理解と福祉的な視点での検討により適した制度利用をしていただきたいと思っています。成年後見制度の利用をご検討されていましたらまずはお気軽にご相談ください!

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