おはようございます。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
本日は建設業許可の新規申請、宅地建物取引業免許の許可証の受け取りのために東京都庁に行く予定です。現在、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で建設業許可の新規申請の受付が午前中のみとなっています。早くコロナが収束して早くもとに戻ってほしいものです。
さて、建設業許可の新規許可の際に必要な要件として「経営業務の管理責任者の要件」があります。これは建設業の経営経験についての要件で、もっともわかりやすいのは建設業許可を持っている会社の取締役(監査役は×)の期間が5年以上あることによる証明です。
令和2年10月1日に建設業法が改正されたことで建設業を営む会社の役員経験が2年、他の業種の会社の役員経験が3年の合計5年でも経営業務の管理責任者の要件を満たすことができるようになりましたが、どちらにしろ役員経験が5年というところは同じです。経営業務の管理責任者の要件を満たすことを考えるとき、役員の経験が何年あるかというところからスタートするのが良いと思います。
ただ、実は役員としての経験がなくても経営業務の管理責任者の要件を満たすことができるケースもあります。それが執行役員の経験と令3条の使用人の経験です。
執行役員の経験で経営業務の管理責任者の要件が認められるのは、取締役ではないものの取締役会の決議などにより具体的な権限の委譲を受けて経営に携わっていたことを証明できた場合です。必要な書類は多岐にわたり、取締役会の議事録、組織図、職務分掌規程など、役員と同じような権限がありそれに基づいて業務をしていたことが確認されます。
令3条の使用人とは建設業許可を持っている会社の支店に配置する責任者のことで、支店長のようなイメージです。この令3条の使用人の経験が一定以上あれば役員ではなくても経営業務の管理責任者の要件を満たすことができます。
その他、建設業許可を持っている個人事業主が亡くなりその子どもが経営を引き継ぐようなケースで例外的に認められることもありますが、経営業務の管理責任者の要件についてはおおむね上記のいずれかに該当することが必要です。執行役員の経験で経営業務の管理責任者になることも不可能ではありませんが、認めてもらえるかどうかはなかなか難しいところだと言えます。
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