こんにちは。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
今回は相続の際にどうやって遺産を分けるかというテーマでお話をしていきます。遺産分割の際にポイントとなるのは遺言の有無です。遺言があればそれに従って分けていく、遺言がなければ相続人で話し合って(遺産分割協議をして)遺産分割協議書を作成するというのが一般的な方法となります。
意外とよくあるのが、遺言があると必ずその通りに遺産を分けなければならないという勘違いです。遺言の通りに分けてももちろん問題ありませんし、相続人全員が同意すれば遺言とは全く異なる分け方をしても問題ありません。
ただ、遺言の中で法定相続人以外に遺産を渡す人が指定されている、法定相続人だけで遺産分割をすることはできず、遺言が優先されることになります。その人を含めて遺産分割協議を行い、遺言とは異なる遺産分割を行うことも可能です。
遺産として分けやすいのは言うまでもなく現金です。しかし、すべての遺産が現金というケースはまれなので現実的には以下のような対応が必要となります。
遺産の中に預金がある場合、通帳を相続人で分けてもしょうがないので、誰か一人が代表して預金を引き出し、現金を相続人で分けることになります。代表者は遺産分割協議書を持って金融機関に出向き手続きをして預金を引き出し、各相続人に振り込むなどして引き渡します。
もちろんこの口座はAさん、この口座はBさんと分けることもできますし、遺言でそのように指定されているというケースも少なくありません。口座に入っている額が均等でないともめごとの原因になることも考えられるのでご注意ください。株式などの有価証券もそのまま分けても、換金して現金を相続人で分けるという方法でも良いと思います。
不動産の場合は共有とすることができます。1つの土地に所有者が複数いる状態にするということです。例えば相続人が配偶者と子2人で法定相続分通りに分割するとすると配偶者が1/2の持ち分、子が1/4ずつの持ち分となります。
しかし、土地を共有にすると売却が難しくなるなどのデメリットもあるので、もし必要のない土地であれば誰かが代表して相続し1人の名義にした後で売却し現金に換え、それを法定相続分で分けるのが良いかもしれません。
結局は手続きをする際に代表となる人が必要になりますが、その代表を誰にするかということで揉める可能性もあります。遺言を作成する際にはそのことにも留意することをおすすめします。遺言執行者を指定しておくというのも一つの手です。
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