こんにちは。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
成年後見制度に関するご相談をお受けする中でよく聞かれる質問は「後見人は誰にするのがいい?」と「いくらかかるの?」の2点です。この2点は成年後見制度の利用を検討する上でとても重要なことでもあるので、丁寧にごせ説明させていただいています。
今回はこの2つの質問うち「成年後見制度を利用するといくらかかるの?」の方についてお話をしていきたいと思います。
まず、成年後見制度を利用するにあたっては申し立て費用がかかります。切手代や必要な証明書類などの費用でほとんどの場合は1万円以内で収まる程度です。申し立てにより成年後見人が選任されますが、すぐにお金がかかるという訳ではありません。
成年後見人が1年間仕事をした後に裁判所に「報酬付与の申し立て」、わかりやすく言えば「仕事をしたので報酬をください」という内容の申し立てをします。そうすると裁判所が「報酬として○○万円を本人の財産の中から与える」という決定をし、ここで初めて報酬として費用を支出するというのが一般的な流れです。
報酬額は月2万円から6万円ほどで、成年後見制度を利用しているご本人の財産額により変動します。この報酬額を多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思いますが、高齢者に比べて知的障害のある方の方が成年後見制度の利用期間(後見人が選任されてから亡くなるまでの期間)が長いので障害の支払額を計算するとかなりの額になります。
例えば知的障害のある方が48歳で成年後見制度を利用し、平均寿命である84歳まで月々2万円を支払い続けるとすると・・・
36年間×12か月×2万円=864万円
この額を、あくまでもご本人が支払うことになります。期間が長いとは言えかなりの額になり、場合によってはかなりの負担になりかねません。
そこで、多くの市区町村では成年後見人に対する報酬に対する助成制度を設けています。東京都立川市の助成制度は「立川市民」又は「市外の施設に居住しているが保険者が立川市であること」を支給の要件として、月額2万円×12と報酬決定額を比べてすくない方を助成額としています。
後見人の報酬が2万円であれば、その分がまるまる助成されるので、実質無料で成年後見制度を利用することができます。ただし、市区町村により支給対象となる要件も支給額も異なりますので、よく確認をしてみてください。
成年後見制度の利用=お金がかかると思っている方も少なくないようです。当然、報酬が発生するので間違えではありませんが、このような助成制度を利用することで、負担をなくしたり減らしたりすることもできます。
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