こんにちは。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
遺産相続の際に相続人の中の特定の人にだけ財産を相続させるということができるでしょうか。例えば「子どもが3人いてその中の1人に知的障害がある。知的障害のない2人は十分な収入がありお金に困っていないので知的障害のある子にだけ財産を渡したい」というようなケースです。
兄弟姉妹の法定相続分は等分です。先ほどのケースで相続人が3人だけであれば法定相続分はそれぞれが3分の1ずつとなります。ただ、法定相続分はあくまでも目安なので必ずこの割合で分けなければならないということではありません。
法定相続分以外の割合で相続をさせるための方法の一つは遺言による分割方法の指定です。遺言で誰にどのような割合で、または誰に何を相続させるかを指定します。知的障害のある子だけに財産を相続させる旨の遺言を作成することもできます。
しかし、兄弟姉妹を除く法定相続人には遺留分があります。遺留分を侵害している場合、遺留分減殺請求をすることができ、結果として他の相続人にも遺産が渡ることになります。遺留分減殺請求をするかしないかは相続人の任意なので遺言の中でよく説明をしたり生前に説得しておくことが必要となるでしょう。
具体的な遺留分は先ほどのケースであれば一人当たり遺産の総額の6分の1です。もし遺留分減殺請求をされると遺言で知的障害のある子一人に全て相続させる旨を書いたとしても6分の1×2人分の3分の1は相続することはできなくなります。
このように遺言により相続分を指定する方法以外で法定相続人の中の特定の一人だけに遺産を相続させるということはほぼ不可能と考えてよいと思います。しかし、この遺言による方法は先ほど説明したように遺留分減殺請求をされてしまえば意味がありません。
相続の際にトラブルになることのないよう、相続人全員が納得するような遺言を作成し「相続」が「争族」となることのないようご注意ください。
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