こんにちは。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
知的障害のある方の成年後見の場合、その利用に保護者の関与はほぼ必須となると思われます。保護者が後見制度を利用しようと考え、申し立てを行うケースが多いのですが、利用についてどれくらい計画性を持っているでしょうか。費用がかかるから後見人を付けるのは遅いほうが良いと漠然と思っていないでしょうか。あくまでも知的障害のあるご本人のための制度なのでまずそこをよく考える必要があります。
では、成年後見利用についてどのように考えれば良いのでしょうか。「自分が元気なうちは自分が頑張る。看ることができなくなったら後見人を付けよう」と考えている方が少なくありません。確かに元気なうちに他の人に任せる必要はないという気持ちはわかりますが、元気でなくなった時に“知的障害のあるご本人に適切な後見人を選ぶ”という大きな仕事を残すことになります。どんな人でも良ければ後見人はいくらでも探すことができます。申し立ての際に候補者を指名しなければ裁判所が選んでくれます。しかし、本当にそれで良いのかを考えてください。
知的障害のあるご本人にとって後見人は保護者なき後の大事なパートナーです。そんな後見人には知的障害のことをよくわかっていること、家族の意向を理解していることなどの条件を満たしていることが望ましいのではないでしょうか。そのような人がたまたま後見人になってくれれば良いですがなかなかそうもいかないでしょう。そうなると保護者がそのような人を積極的に見つける必要がでてきます。その作業をいつにするのか?というのが“成年後見制度の計画的な利用”の肝です。
「成年後見制度は見ず知らずの人に財産を任せることになる」という話をされている方を見ますが、それは自分で適した後見人を探さなければそうなってしまうだけであり、さらに言えば後見制度をよく良く知っている人に後見人をお願いしなければならないのに妥協したとも言えるのではないでしょうか。
もちろん、成年後見制度を利用する時期については知的障害のあるご本人の年齢や障害の状況なども含めて検討するべきですが、適した後見人を見つける期間というのも考慮に入れておくべきだと思います。想定していた利用開始の時期よりも早く良い後見人が見つかった場合はその旨を伝えて、利用までの間をご本人、保護者との情報交換やコミュニケーションの期間とすれば良いのです。
最良の後見人を用意することがご本人への人生最高のプレゼントだと思います。
知的障害のある方の成年後見についてはお気軽にご相談ください。
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