こんにちは。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
相続に関する法律が今年から来年にかけて大きく変わります。相続は誰にでも起こりうることですがいまいち現実感がないというのが本音という方も多いと思います。
頭の片隅に入れておいてもらえるといざというときに役に立つかもしれません。
今日は特別の寄与の制度について福祉的な面からもお話をしていきます。
原則、相続人(遺産をもらう人)は被相続人(亡くなった人)の配偶者、子、親、兄弟です。これらの人を法定相続人と言います。亡くなった人の肉親がもらうのは当然だから何の問題もないと思うかもしれませんが、近年トラブルになるパターンとして、被相続人の子の配偶者が介護をしていた場合です。被相続人の子はなんにもしなかったのに遺産がもらえて、毎日介護をしていた被相続人の配偶者は何ももらえないというのは不公平だという訳です。
改正法では“毎日介護をしていた=特別の寄与”を根拠に相続人に対して金銭での支払いを請求できるようになりました。
現状でも、この特別の寄与により裁判所の判断で遺産を取得させることができましたが、他に相続人がいない場合に限られていましたが、今回の改正による金銭での請求は他に相続人がいるかいないかは関係ありません。
もちろん請求“しなければならない”という訳ではなくあくまでも請求“できる”ということなので請求しなくても問題ありません。お金のために介護をしているわけではないという方も大勢いると思います。ただそれも現在の状況が変わることより気持ちも変化するので注意が必要です。
不公平感が顕在化しトラブルになるパターンの具体例を挙げます。
A(男)さんとB(女)さんが夫婦、CさんがAさんの親でCさんをBさんが介護をしているという状況でAさんがCさんより先に亡くなる。Bさんは一人で血のつながらない父親Cさんの介護をする。Cさんが亡くなった時に遺産をもらえるのは何もしてこなかったCさんの子(つまり亡くなった夫の兄弟姉妹)
このような状況を想定すると不公平だと感じるのではないでしょうか。
改正法によりこのような不公平が解消される第一歩になると思います。この改正は2019年7月に施行されます。
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