任意後見のメリットとデメリットとは?

おはようございます。

許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。

 

後見制度には法定後見(後見、保佐、補助)と任意後見があります。

同じ成年後見制度なのですがその内容は少し異なっています。今日は任意後見のメリットとデメリットについてお話します。

まずはメリットについてです。なんといっても一番のメリットは自分自身で後見人を選ぶことができるという点です。法定子検温場合は自分の判断能力がなくなった状態になって初めて申し立てることができ、後見人を選ぶのは家庭裁判所です。任意後見の場合は、判断能力があるうちに誰に後見人を頼むかに加え、どのような内容について自分の代理をしてもらうかについても決めて契約することができます。

逆に法定後見と比較した際のデメリットは、取消権がないことです。法定後見の場合は不利な契約をしてしまったときにその契約を取り消すことができます。これを取消権と言います。任意後見の場合は判断を誤ってしまい契約をしてしまうとそれは原則有効となります。

また、費用面を比較すると法定後見も任意後見人も後見人、後見監督人への報酬がそれぞれ毎月2万円程度かかります。ただ、法定後見の場合は後見監督人が選任されないことがあるのに対し任意後見の場合は必ず後見監督人が選任されます。したがって任意後見の方が費用としては多く必要になることが多いと思われます。

その他、申し立ての費用についても任意後見は公正証書を作成する必要があるためその費用も万円ほど必要になります。法定後見は申し立ての費用が7,000円ほどかかります。

 

どちらが良い悪いということではなく任意後見は将来のための備えであるのに対して法定後見は現在の状況への対策といった側面があります。

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