おはようございます。
許認可申請と福祉の専門家、平松智実法務事務所の平松智実です。
平成30年成年後見概況によると成年後見の申し立ての動機は以下のようになっています。
1.預貯金等の管理、解約(42.0%)
2.身上監護(20.5%)
3.介護保険契約(9.8%)
4.不動産の処分(9.3%)
5.相続手続(8.4%)
知的障害のある方の場合、親御さんが預貯金の管理をしているケースが多くまた身上監護(福祉サービスの契約等)についても親御さんが対応していることが多いのではないでしょうか。
そもそもご本人が不動産を持っていることは少ないですし知的障害のある方の場合、介護保険に該当しないことがも多々あると思います。
親御さんがいる場合、相続の手続きで必要になるまでは成年後見の申し立てをしないという方が大半ということです。実際に親御さんが「私自身がまだ元気なので元気なうちは面倒をみる」とおっしゃることが多くあります。
それはとても素晴らしいことだとは思いますが、元気なうちに成年後見制度の利用を開始し十分な引継ぎを行うことが重要であると考えます。後見人が付いたからといって今までの親子関係が変わるわけではありません。
さらにはご本人と後見人の信頼関係も必要です。親御さんがご本人と関わることができなくなった段階で後見人を付けるとするとご本人と後見人は間を取り持つ人がいない状態で0から信頼関係を構築する必要があります。現実的な問題としてこれはとても難しく、ただ預金の出し入れをするだけの後見人になってしまう可能性があります。
後見人がご本人にとってふさわしくないと思っても、対応してくれる人は誰もいないというのではご本人も不安なのではないでしょうか。
後見人を付けるタイミングを考える上で、金銭的なことも考慮されると思います。月2万円=年24万円(基準額)かかるので後見人を付けるのが遅ければ遅いほどご本人の経済的な負担は減ります。ご本人の経済的な負担を減らすために成年後見の申し立てを遅らせるというのも一つの方法ではありますが、助成金の利用も検討してみてはどうでしょうか。多くの自治体で月18,000円程度の助成金が用意されています。
ご本人の状態と将来、ご家族の状況、金銭面すべてを考慮し、最善の選択をするお手伝いをさせていただければと考えています。
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